こんにちは、不動産売買に興味があるITエンジニアの渡辺拓也です。
本日は相続登記の義務化で不動産価格は低下するのかとうかという事について語りたいと思います。
まず相続登記の義務化とはなにかというと法務省のこのQAがわかりやすいです。
(Q1) 相続登記の義務化とは、どのような内容ですか?
(A1) 相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になります。 正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。 遺産分割(相続人間の話合い)で不動産を取得した場合も、別途、遺産分割から3年以内に、遺産分割の内容に応じた登記をする必要があります。
法務省:相続登記の申請義務化に関するQ&A
全国で相続登記が活発化されるので、放置空家問題などが解決するといわれています。
この所有者不明の土地っていうのが、広さにして2016年時点で九州より広いと言われています。
そして2040年には北海道本島の広さになるとのこと。
めちゃ広いですよね。
この相続登記の義務化で所有者の明確化が進んだとします。
その所有者はその土地に住んでいるのでしょうか?
おそらく住んでない可能性が高いでしょう。
では所有権が明確になったからといって引越する人は多いでしょうか?
住まいは仕事場所と紐づけられているので、わざわざ引越する人も少なそうですよね。
という事は、多くの場合、その所有者はその土地を持っておくか、売却するかの二択を迫られることになります。
土地を持っておくとなると管理の義務が発生しますし、固定資産税も発生します。
するとその土地が毎年資産が目減りする負債になってしまいます。
これは困りますよね。すると始めはとりあえず持っておいても、何年か経つと売却という選択がでてきます。迷惑ですから。
この売却の際に更地だったり、家がまだ比較的新しい場合は問題ないですが、最悪なのはボロ家の場合です。
売却するには、リフォームするか、解体費用を支払い更地にするかの選択をしなければいけなくなる可能性が高くなります。
するとその費用がかかってきて、しかも確実に売れる保証もないという最悪の事態になるのです。
仮に土地が都会などいい場所にある場合はいいでしょう。
しかし
大都市は日本の5%
地方都市が日本の51%
過疎地域は日本の44%
の面積となっています。
です。
大都市であればちょっとした資産になるでしょう。
地方都市ならとんとんか少し利益が出るくらいかもしれません。
過疎地は土地が売れず…マイナスを喰らうということになるでしょう。
面積の比率がそのまま所有者不明土地に当てはまるとすると、44%の方がマイナスを喰らう可能性が高いという悲しい現実が浮き彫りになります。
おそらくですが、今後三年の間に、どこの地域でも市場に流通する不動産は増えます。
これは買い手側からしたら朗報ですが、売り手のことを考えると、競争が激しくなり売りにくくなることでしょう。
これがおそらく今後始まる不動産の全体の流れです。
ではこの局面で高く家を売る方法はないのか?ということを考えていきましょう
まず大切なのは地域で戦略をわけることです。
なぜなら過疎化地域とそれ以外ではまったくスタンスが異なるからです。
まず大きく2つに分けます・
・比較的高く売れるか、そこそこ売れる場合(大都市・地方都市)
・売るのがムズカシイ場合(過疎化地域)
大都市・地方都市の場合、高額で売る方法のポイントは2つ複数見積もり、手入れです。こちらが詳しいです。
元不動産屋Aさん:一概には言えませんが、複数社に見積もりをすることで10%程度、手入れの良し悪しで5%くらいは変わってくるのではないでしょうか。この手入れの良し悪しというのは、金額が上がるというより、下げて欲しいという圧力が減ると考えたほうが良いでしょう。
元不動産屋が酔ったイキオイで告白!高く家を売る必勝方法
この方法で高く売れる確率があがります。
詳しくは引用元の記事をご覧ください。書かれてある通りしていたらうまくいくでしょう。
次は過疎化地域の場合です。
過疎化地域の場合は、そもそも販売してくれる不動産屋が少ないので、複数社に見積もりしてもらえません。
なので1社にお願いするしかない状況になるでしょう。
このご時世ですから、相場より下げて早急に売るほうがいいのではと思います。
あと重要なのが、住宅の場合解体費用を出すかどうかの問題です。
解体費用を払って更地にするか
解体せずに家付き土地で売るか
これで大きく結果が変わってくるでしょう。
売れるのであれば解体費用を払わずに売るほうがいいと思います。
なぜなら解体しても売れる保証はないからです。
すると解体費用分マイナスになります。
個人的には家付き土地で相場より少し安い価格で出して、できる限り早急に売ることを考えるでしょう。
過疎地はそもそも売れる可能性が低いので、売れるタイミングでさっさと売るほうが賢いでしょう。
あと不動産会社に出したが、長く売れずに、固定資産税だけを払い続けることになるような土地は、さっさと値段を下げることを考えましょう。最悪ただにするという選択もありえると思います。
それでもどうしても売れなければ、相続土地国庫帰属法を活用するほうがいいのではと思います。
相続土地国庫帰属法(正式名称:
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律)とは、2023年4月より施行された法律で、相続した宅地や山林、農地などの所有権を、一定の負担金を納付することを条件にい、国庫に帰属(土地を国に引き渡せる)することができるという法律です。
ただこれは法務局が要件を満たすのか審査が必要です。
たとえば建物のある土地、道路などが含まれる土地、汚染されていたり、所有権について争いがある土地などは申請できません。
また崖のある土地、管理や処分を阻害する有体物が土地にあったり地下にある場合などは不承認になります。
国の立場からみると、負債になるような土地は当然引き取りたくないので、このような対応になるのだと思います。
ポイントは相続土地国庫帰属法を活用する場合、建物のある土地は申請できないということです。
この場合解体費用を出して、さらに一定の負担金を納付して引き取ってもらうという事になります。
これでは完全にマイナスですが、あなただけでなく、財産を引き継いだ子孫までもが、固定資産税を払い続けるよりましでしょう。
いじょう相続登記の義務化で不動産価格は低下するかについての私なりの予想と、その状況下で高く家を売る方法でした。
最悪のケースは、どこまでマイナスを減らせるかという部分が論点にになってくると思います。